マット・スカダ−・シリーズ/ローレンス・ブロック
『だからもう一夜ぼくらは過ごした
詩と散文の夜を
みんな孤独になるのがわかっているから
聖なる酒場が閉まるときには』
(デイヴ・ヴァン・ロンク)
ニューヨークのアル中探偵、マット・スカダーのシリーズ。
今は酒を止めたアル中です。田口さんの訳もシリーズにあっていて良いです。
一般的には映画化もされた『800万の死にざま』が有名かな?
いや、これも最高なんだけどね。特にラストシーンなんか。
やっぱり優しさが根底にないとこういう本はダメなんだと思う。
僕は『8百万の死にざま』の頃よりも、
もっと最近の生意気な黒人TJとの、
ラップまがいの韻を踏んだやりとりがすきです。
スカダーがどんどん年老いていくのに、
ヒロインのエレインがずっと若いままなのに作者の愛を感じますね(笑)
まぁ全体的に暗い話が多いので好き嫌いは別れそうですね。
全然関係ないけど、『聖なる酒場の伝説』って映画のせいで
僕のスカダーのイメージはルドガー・ハウアーです。
ある日、無意識にお酒を頼んでしまうと、酒が語りかけるんだよね。
『よ・う・こ・そ』
って。
こういうのが凄くうまい。アメリカでうまさなら別格かもって思う。
一人称で詩的な文体が好きな方はぜひ!
あ、映画のヒロインは『ハニーバニー』ことロザンナ・アークエッドですよ。