落語家の円紫師匠と、女子大生の『私』が主人公のシリーズ。
日常を生きていて、ふとぶつかってしまう謎を探偵役の円紫さんが
解決する度に、『私』が成長していく短編集。
長篇もあるけど、連作短篇の方が個人的に好きです。
一作目では女子大生だった『私』も、いまでは新米の編集者になっています。
順番に読んでいくと、
登場人物がだんだん身近な友達になったような錯角に陥ってしまう素敵な本。
個人的にはおじいさんの日記から、おじいさんが隠していた恋の謎を
追い掛ける『朝霧』が一番好きです。
この人の作品の読後感は何ものにも変えがたいのです。